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執筆者の写真産地戦略推進室

しまなみフレンチ フィレール

全国でも住みたい街に選ばれる今治市の中でもひと際、移住される方の多い大三島。オーナーシェフの伊藤さんも2021年に移住しお店をオープン。伊藤さんは、フランで修業した東京の調理学校でフランス料理を教えていたという本場仕込みの料理人です。


知人が伯方島出身だったことが縁で大三島を訪れたご夫婦は、当時、観光客がせっかく島を訪れても地元の食材を食べることができる飲食店が少ないことを知り大三島で開業することを決意。お店は、観光地から少し離れた海辺に近くの目立たない場所にあった築90年の古民家をリノベーション。ただ、その本格的な料理の評判は今治や福山の地元でも口コミで広がり今や観光客と地元のリピーターが訪れる島の人気スポットになっています。


お店のコンセプトは「しまなみ海道の旬の食材を使った気軽に行ける本格的なフランス料理」。今回の「しまなみみんなのディッシュ」との新メニューづくりに際しても、伊藤さんご夫婦は島しょ部だけでなく陸地部の生産現場も一つ一つ訪問し、提供する食材を選んでいただきました。ちなみに伊藤さんの後ろの床の間に週替わりで飾られるお花は「しまなみみんなのディッシュ」のメンバーでもある佐藤さんが島にある素材だけで生けたもの。この「作品」を楽しみに通う常連のお客様もいるとのこと。


まず、3月のランチメニューで出てくるのは「イノシシのパテ」。猪肉の品評会で全国一位となった「しまなみイノシシ活用隊」のイノシシ肉が使用されています。肉の風味を残した繊細な味付けはこれまでのジビエのイメージを変えてしまう一品です。


「新玉ねぎと新ジャガイモのキッシュ」のプレートには、「しまなみみんなのディッシュ」のメンバー髙尾さんのセルリアック、山媛ファームのサラダティーナ、ごまの神谷の金ごま、ポパイズクラブのオリーブオイルを使用するなど地元のこだわり食材がふんだんに使われています。ミックスサラダだけでなく、キッシュもそれぞれの素材が新鮮、ジューシーなまま調理されており、それぞれの本来の美味しさが確認できる一品になっています。


メインメニューは、「舌平目のデュグレ」と「豚ばら肉と豆煮込みセロリ添え」が選べますが、この日は肉メニューをいただきました。トマトソースに絡まったとろける豚肉に、自然農法グループ「あしたも」の吉川さんのセロリやジャガイモ、豆類の絶妙な調和は見た目も味も感動モノ。女性では食べきれないかもしれない(?)ボリュームですが「その日の素材に合わせて調理法を微調整している」という伊藤さんの繊細な仕事ぶりを感じることができる逸品です。


デザートの「神の島レモンのムースとレモンのケーキ」には、しまなみ楽農研究所の神の島レモンと神の島雫、三皿園のレモンパウダーを使用。運ばれてきた瞬間にレモンの香りが漂います。「大三島のレモンのレベルは高く、特に無農薬なので安心して使えます。」とのこと。


移住から開業するまでお世話になった地元の皆さんに食の提供を通して恩返しをしたいという伊藤さんご夫婦。「これからも県内外のお客さんに地元の食材の良さや生産までストーリーを紹介したい。」と言っていただきました。ご夫婦のお店がこれからもしまなみの地元食材の力強い発信拠点となっていくことに間違いありません。


今治市上浦甘崎1572

水、木、金、土曜日のみ営業

ランチ 11:30~15:00

ディナー 18:30~(1週間前までの完全予約制)

TEL 0897-87-2344





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